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3月は事件が解決する時期!?

1年間のうち、「事件が解決しやすい時期」があります。

イメージしやすいのは年末ですが、実は3月末も解決に向けた機運が高まる時期です。

また、3月末までと4月以降で、勝敗の方向性ががらっと変わることもあります。

その理由は?

結論から先に言うと、それは「裁判官の異動時期だから」です。

裁判官はおおむね3年程度で異動すると言われています。

異動に際して、事件の引き継ぎ等は行われますが、裁判官の心証等は引き継がれないことになっています。

また、どれだけ詳しい引き継ぎ書があるとしても、争点を把握するのが難しい事案も多いため、裁判官が異動すると、特に難しい事件については、再度、主張整理等をやり直し、その結果、解決が長引くことがあります。

更に、共に事案の解決に向けて争点を整理し、当事者双方代理人(場合によっては当事者本人)との信頼関係もできてきている裁判官が異動してしまうと、信頼関係も1から築きなおす必要があります。

そのため、裁判官の異動直前期は解決への機運が高まり、難航していた和解協議がまとまることがあります。

一方、裁判官の異動が勝敗に影響することもあります。

先ほどお伝えした通り、異動によっても裁判官の心証は引き継がれず、再度争点整理がなされることがあるため、「3月までは裁判官の言葉の端々から、旗色が悪そうな気がしていた事件」についても、新しい裁判官にかわり、再度争点整理をしてみると、いつの間にか有利になっていたということも多々あります。

弁護士としては、裁判所の心証を考えつつ、勝ちそうな事件については裁判官の異動前に解決をめざし、負けそうな事件については裁判官の異動を待つというのも戦略の一つかと思っています。

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