メルマガ Mail magazine

電子マネーでの給与支払いは認められるのか

少し前ですが、国家戦略特区諮問会議が電子マネーによる給与の支払いを解禁する方針を決めた、というニュースが報道されました。

つまりは、現在の法律では、電子マネーによる給与の支払いは認められていないのです。

給与の支払方法には、どのようなルールがあるのでしょうか。

今の社会では、給与は銀行口座に振り込まれる、というのが「常識」かもしれません。

しかし、これは法律では例外なのです。

労働基準法では、「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」と定めています。

「通貨払いの原則」といって、現金手渡しが大原則なのです。

そして、例外として、本人の同意を得た場合には、銀行口座に振り込んでよい、と厚生労働省令で定められているのです。

「通貨」というのは、日本の硬貨と日本銀行券なので、米ドルも、電子マネーも、はやりの仮想通貨も認められません。

 賃金の支払いについては、上記の「通貨払いの原則」のほかに、

「直接払いの原則」

「全額払いの原則」

「毎月1回以上支払の原則」

「一定期日払いの原則」

があります。

いずれも、賃金が労働者の生活を支えるものであることから、使用者が守るべきルールとされているのです。

しかし、時代とともにキャッシュレス化が進もうとしている(政府が推し進めようとしている)中、「通貨払い」に関しては今後見直しが進むことになりそうですね。

関連記事

2020.11.09

不祥事を起こした従業員を懲戒解雇!

俳優の伊藤健太郎がひき逃げで逮捕されました。懲戒解雇や損害賠償はできるのでしょうか?就業規則を見直しましょう。 …

2021.04.12

従業員が副業・兼業をしたいと申し出た場合にどのように対応すべきでしょうか。

副業・兼業といえば、昔は、会社にこっそりと・・・というイメージでしたが、今日では、政府が推進し、ソフトバンクやみ…

2021.05.31

ハラスメントが起こりやすい職場とは?

「うちは完全成果主義!数字を出せばちゃんと評価するし、失敗すればペナルティを受けてもらう」「数字を出すために夜討…

PAGE TOP

COPYRIGHT © SHINWA LAW OFFICE ALL RIGHTS RESERVED.