その苦情、行き過ぎじゃありませんか?
秋田県の第一観光バスが、カスタマーハラスメントに対する意見広告を出しました。
ネット上では賛否両論あるようですが、良いことではないかと考えます。
大切なことは相手への思いやりではないかと考えます。
秋田県で路線バスやタクシーを運行する第一観光バスが、3月に地元新聞に意見広告を掲載しました。題名が、「その苦情、行き過ぎじゃありませんか?」(カスタマーハラスメントについて)となっており、SNSなどで話題になっているようです。
何度かカスタマーハラスメントについて本メルマガでも取り上げてきましたが、顧客重視の日本企業が、カスタマーハラスメントについて断固たる対応をすると宣言することは珍しいことなので注目されるところです。
意見広告では、朝早くから働く運転手やオペレーターによって、通学通勤通院などに使われる地域の足としての交通機関であり、社員を守ることも大切であると述べています。そのうえで、お客様は神様ではありません(原文太字)と述べて、理不尽なクレームや要求には、毅然とした対応を取り、場合によっては乗車を断ると宣言されています。
一読したところでは、一体何があったんだろうということ(よほどひどいクレームがあったのでしょうか)、と、意見広告の形で考えを表明することが適切であったかが気になるところです。ネット上でも賛否両論分かれており、よくぞ言ったという声と、そんなえらそうなこと言うならもう乗らないという声があります。
バス会社の意見は、お客様であれば何をしても許されるわけではない、対応として乗車拒否もあるということについては、法律的には当然の対応で特に問題はありません。メルマガの中でもたびたび書いてきましたが、会社はいかなる要求にも耐えなくてはならないというものではないのです。
バス会社でも意見広告を出すについては議論があったことと思います。
大切なことは、相手の立場を思いやる姿勢であり、相手に要求ばかりをしていては、問題は解決しないこととなります。日本では、きめ細かいサービスが求められることもあり、どうしても事業者側に負担がかかりますが、ストレス社会の中で顧客のストレス発散につきあっていては、従業員の心が持ちません。海外に行くと素っ気ない対応をされて日本はいいなあと思いますが、度を過ぎたリクエストには毅然とした対応をするよう経営者は努めないと、従業員の心身に悪影響が出て、会社が従業員から訴えられることになりかねません。
法律の基準を理解したうえで、血の通ったサービスを心がけるという姿勢で業務を運営してもらいたいと思います。また理不尽な要求には、弁護士等専門家による対応も考えましょう。
以上