リツイートは著作権侵害となるか?
ある日、Cさんは、Bがアップしていた綺麗な写真の入ったツイートをリツイートしました。
しかし、その写真が、Aさんの著作物であった場合、Cのリツイートは著作権侵害になるのでしょうか。
最近は、SNSなどで個人が簡単に画像等をアップできるようになりました。
ただ、気を付けていないと、知らない間に誰かの権利を侵害しているかもしれません。
今日は、「リツイート」と「リンク」について、最近の裁判例をお伝えします。
(事案1)
A:写真「甲」について著作権を有する写真家
B:Aに無断で「甲」の写真を含むツイートを行う
C:Bの上記ツイートをリツイート
このような場合に、Cのリツイートは、Aの著作権を侵害することになるのでしょうか。
東京地裁平成28年9月15日判決は、リツイートの仕組みを詳細に検討した結果、CはAの著作物の複製等は行っていないとして、このようなリツイート行為はAの著作権を侵害しないと判断しました。(もちろんBのツイート行為は著作権侵害となります)
ただし、本事件は控訴中で今後判断がひっくり返される可能性があります。
また、別途、著作権侵害のほう助、著作者人格侵害等が認められる可能性があるとする指摘もあります。
(事案2)
A:動画「乙」について著作権を有する者
B:Aに無断で「乙」の動画をニコニコ動画にアップロード
C:上記ニコニコ動画の動画にリンクをはる
このような場合について、Cのリンクをはる行為についても著作権侵害は否定されています(大阪地裁平成25年6月20日)。
ただし、これについても、リンクの方法によっては著作権侵害が成立する可能性があります。
いずれにしても、誰かがアップしている画像・動画を気軽にリツイート、リンクをはるのは気を付けた方が良いということです。