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地震に負けない法務(緊急対応、契約書)

6月18日に大阪を襲った地震についてお見舞い申し上げます。
残念ながら、地震などの災害は日本のどこでも避けることができません。
災害対応の可能な会社を目指し、法務がやるべきことをいくつか指摘します。

6月18日に大阪を襲った震度6弱の地震は、死者4名負傷者多数の人的被害と、公共交通機関の乱れで、都市全体がほとんど動かなくなり、仕事も全くできない状態に陥りました。
救急車やパトカーのサイレンが一日中聞こえて気持ちが沈み、止まっているエレベーター脇の階段をとぼとぼと上がりました。

さて、地震国日本では、災害時の対応が大切になります。地震発生後の初動対応は、以下のとおりであり、社内でマニュアルを作って、年に一度は読み合わせしましょう。

  1. 従業員(社内、出張、休暇取得者)や関係者(来訪者、常駐委託先スタッフ)等の安否確認
  2. 施設、設備等の被害状況確認(特に、システム関係が近年は重要)
  3. 重要業務の委託先、部品や原材料の調達先の状況
  4. 公共交通機関の運行状況、幹線道路の通行規制
  5. 電気、ガス、水道等ライフラインの被災状況
  6. 監督官庁、業界団体等の対応方針、指導・指示

などです。

また、災害時の緊急対策の体制や連絡網も定めておきましょう(ラインやフェイスブック等のほうが緊急連絡網としては優れています)。

他方、取引先との契約書においても定めておくべき条項があります。
それは、非常時における業務中断時の免責条項です。

昨日のようなレベルの地震が起こると、業務ができない会社も多数あると思います。
その日に納品予定だった商品の出荷ができない、店舗の営業ができない、社員が出社できなくて対応ができないなどのたくさんの困難が予想されます。
このような場合、取引先に損害が発生することもありますが、その損害賠償請求を受けないように、予め契約書に免責とする条項を定めておくのです。

もう一つ可能であれば、業務の回復に時間がかかることも予想されるので、バックアップ体制としての協力会社との連携を認める条項もあるとよいと思います。

大手の契約書では、第三者への委託を禁止する条項が入っている場合も多く、緊急時の対応に不便な場合もあるからです。
その他、非常事態に備えて、日ごろからどうするかを取引先と話し合って協力する(契約書に努力条項を入れるかも含めて)検討しておくべきでしょう。

私達は、これまでも多くの災難を乗り越えてきました。今回のことも教訓として、これを機会に地震などの災害への備えをしていきましょう。

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