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訴訟以外の裁判手続

前号では、訴訟手続の流れをご紹介しました。

ところで、そもそもなぜ訴訟をするのでしょうか。

もちろん、訴訟を提起すること自体が債務者へのプレッシャーとなり、任意の支払を促すという効果もあります。
でも訴訟の最終的な目的は、勝訴判決という「債務名義」を取得することにあります。この「債務名義」が、強制執行を開始するために必要となるからです。

では、「債務名義」を取得するには、訴訟をするしかないのでしょうか。

今回は、訴訟以外の裁判手続についてご紹介します。

1 民事調停

ひらたく言えば、「話し合い」をする手続です。
調停委員会が話し合いの仲介をしてくれますので、直接の話し合いがうまくいかなかった場合でも、利用を検討してみる価値はあります。
手数料が訴訟の半額以下と、低額で済む点も魅力です。
調停が成立すると、調停調書が作成されます。この調停調書も「債務名義」となりますので、調停のとおりに債務者が履行しない場合は、強制執行をすることができます。

2 支払督促

金銭等の給付請求について、債権者の申立てにより、形式的な審査のみで支払督促が発せられます。
支払督促が債務者に送達されてから2週間以内に、債務者が督促異議の申立てをしない場合は、債権者が仮執行の宣言の申立てをすることができます。
これが認められると、強制執行が可能な状態となります。
更に、仮執行宣言付きの支払督促が債務者に送達されてから2週間は、債務者が督促異議を申し立てることができますが、この期間が過ぎれば、支払督促は確定判決と同一の効力を持つことになります。
簡単な手続で、「債務名義」を取得でき、手数料は訴訟の半額です。
これだけ聞くと利用しない手はないようにも思えますが、「督促異議」が申し立てられた場合には、通常の訴訟手続に移行します。督促異議の申立てがほぼ確実に予想されるようなケースでは、最初から 訴訟を提起した方がむしろ早道です。

3 即決和解

民事上の争いがある場合に、裁判所に和解を申し立てることができます。和解が成立すれば、和解調書という名の「債務名義」を入手することができます。
和解の条件は話し合いでまとまったが、きちんと履行されるか不安がある、というときに、簡単に「債務名義」を取得できる手段です。
ただし、同じような場合でも、金銭の一定の数量の給付を目的とするときには、公正証書を作成することで、「債務名義」を取得することができます。
公証人役場には管轄の制限がないことなど、更に利便性が高いことから、実際にはこちらを利用するケースが多いのではないかと思われます。

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