大谷翔平選手に契約の基本を学ぶ
プロ野球の大谷翔平選手が、アナハイムエンゼルスと契約を締結しました。
報道ではお金の面に関心が向けられているようですが・・・
大谷選手のインタビューや、これまでの報道を見ていると、契約についての基本的な考え方がよく理解されているなと感心しました。
報道などでは、大谷選手の契約条件、それもお金の話ばかりが報道されていますが、大谷選手の中では、投手と打者と両方でのプレーをできるということが最優先の条件であって、もともとお金の話は二の次になっています。
もちろんプロですからお金は大切なのでしょうが、それよりも、優先する価値としてどのようなプレーができるのかということが大切なこととして考えられています。
読者の皆さんも、ビジネス上の契約についての相談を受けたり、当事者となったりすることがあると思いますが、その時どのように対応されていますか。
何となく、送られてきた契約書にサインするのは一番いけませんね。
次に、内容を読んでも、どこが大切なのかわからないということで、どうしてよいかわからないということで弁護士に丸投げすることもあるでしょう。
弁護士は法律的に不備がないかチェックはできますが、もっと突っ込んだやり取りをしようと思うと、何を大切にして、どこを譲ることができるのかが大切になります。
大谷選手は、投手と打者の両方で出場できるということを大切にしており、その条件を最も満たしてくれそうな球団を選んで契約をしています。
実にはっきりした基準がそこにあるのです。
もしかすると、もっと良い条件の球団はあったかもしれませんが、おそらく大谷選手が、心を動かされることはなかったと思います。
日本のフリーエージェント制度での移籍などをみると、お金がすべてかと思うことがありますが、今回の大谷選手を見ると、契約に対しどう向かうべきかという基本を思い出させてくれます。
大谷選手の来年からの活躍を祈るとともに、私たちも契約の際には、大谷選手のように交渉に臨みたいものですね。