ドラマ「競争の番人」
7月11日から「競争の番人」というTVドラマが始まりました。
これまでほとんどドラマ化されたことのない公正取引委員会が舞台です。
「優越的地位の濫用」など、公正取引委員会の活躍場面は実は多くあります。
7月11日21時からフジテレビ(関西では関西テレビ)系列で「競争の番人」というドラマの第一回放送がありました。主役の女優杏さん好きです。個人的趣味は置いておくとして、「競争の番人」というタイトルは一体何だろうと思った方も多いと思います。
「競争の番人」で舞台となっているのは、公正取引委員会というあまり馴染みのない、おっかない名前の役所です。最近では、リーガルハイなど弁護士を主人公とするドラマはよくみられますが、公正取引委員会がドラマの舞台となって登場するのは、少なくとも日本では初めてではないかと思います。
公正取引委員会は、独占禁止法というこれまたおっかない名前の法律に基づいて業務を行っているのですが、例えば自分より立場の弱い取引先(下請など)をいじめるようなことはしてはいかん、取引はあくまでフィフティフィフティの立場で自由に行いなさいというようなことを(強制力を持って)指導している役所です。杏さんのように美人の職員が在籍しているかどうかはわかりません。
実際の公正取引委員会は、5月20日、「優越Gメン」を設置すると発表しています。なんだかドラマに出てきそうで、ネーミングについて考えさせられますね。
「優越Gメン」は、石油などエネルギーコストや原材料価格が激しく値上がりしていることを受けて、中小企業が従業員の賃上げ分をきちんと取引価格に反映できるように進めて行くためのものです。
例えば、賃金、原材料費、エネルギーコストなどが増加して原価率が上がった場合に、商品の価格の値上げができればよいのですが、実際には中小企業から大企業の取引先に対して値上げしますとはなかなか言いにくいものです。しかし、大企業などは相次いで値上げを発表しているくらいなので、中小企業だけが我慢を強いられるのはビジネスとしてはおかしな話です。そこで、値上げをするなら取引しないぞなどと言ってくる大企業に対し「優越的地位の濫用」にあたるからやめなさいというのが「優越Gメン」の仕事となります。「優越Gメン」は実際に企業に立入調査に入ったりすることもあり、特に運送関係、金属製品製造、機械器具等の製造など原価率の上昇している業界を重点的調査対象とするそうです。
ドラマと合わせて、「優越Gメン」の活動からも目が離せなくなってきました。これを機会に、自社の取引が独占禁止法上の問題がないか確認してみるのも必要ですね。