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社員が大麻を吸っていたらどうする

 日大アメフト部で大麻など違法薬物の吸引が問題になっています。
 理事長の対応も後手に回りました。
 社員の違法行為への対応も危機管理として重要です。

 日本大学アメリカンフットボール部は、フェニックスの愛称で知られ、最も多く大学日本一になったことで知られる日大を代表する運動部です。数年前、違法なタックル問題をきっかけにコーチ陣などが入れ替わり、新しく活動が行われていました。

 ところが、3年生の部員が大麻を所持していた疑いで、アメフト部の寮が警視庁の家宅捜索を受け、さらには逮捕されるという事態になっています。現在捜査中なのでどうなるかわかりませんが、大麻の所持についてそれなりに疑いがあるということであり、事実とすれば再び日大がアメリカンフットボール部には大きなショックとなることでしょう。このようなニュースに触れたときは、自分の会社で同じことが起こったらどうしようと、自分に引き付けて考えると、ことの重大性が良くわかると思います。

 また、現在、作家の林真理子氏が日大の理事長を務めているが、学内の調査では違法な薬物は確認されていないと述べたこともあり、さらに混乱している感もあり、日本大学自体の評価にもかかわってきそうです。この点も、組織の中で情報の伝達や危機管理の体制が整っていないように思われ、自社の情報連絡体制を今一度確認する必要がありますね。

 違法薬物というと遠い世界のように思われるかもしれませんが、大麻はゲートウェイドラッグとも呼ばれており、比較的簡単に入手できるのが現実です。特に若い人の間では、SNS等を通じた入手ができるようで、ほんとうに危険がいっぱいの世の中になってしまいました。

 では、もしも皆さんの会社で大麻などの薬物を使用している社員がいたらどうしたらよいでしょう。

 まず、薬物の使用については、日常生活でのストレスからの逃避などでふらふらと使用に至る例が多いので、社員の仕事に対する態度などからその精神状況をさり気なく観察しておく必要があります。そして、早めに声をかけて面談するなどして悩みが有れば聞いてあげるということなどが有効です(実際、顧問先の社長さんから、社員の法律相談を受けることはよくあります)。

 次に、捜索などで、会社に警察が来たらどうしたらよいでしょう。捜索令状などを持っている場合は、強制力がありますので指示に従って対応します。立会人を求められるので社員の中からしっかりした人を選んで対応してもらいましょう。他の社員に対する説明もありますし、どう対応するか弁護士に連絡して方針を決めましょう。このような場合、知らない弁護士にいきなり相談しても会社の状況がわからないので、顧問弁護士がいることが有効です。

 社内の連絡体制などについては、字数オーバーになりますので、また改めてご連絡したいと思います。

以上

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