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今年6月より特定商取引においても契約書面等の電子化が認められています!

 あらゆる情報が紙媒体ではなくデータで保存・やりとりされるのが主流となっていますが、特定商取引においても契約書面等の電子化が認められました。消費者の立場から注意すべきことは?

 特定商取引法は、訪問販売をはじめとする消費者・事業者間の契約について、消費者保護の観点から、一定のルールを定めています。

 そのルールの一つとして、事業者が勧誘しようとする取引の概要について記載した書面(概要書面)、申し込もうとする契約の内容を記載した書面(申込書面)、契約内容を明らかにする書面(契約書面)を、消費者に対して「交付」しないといけないというものがあります。

 これについて、今年6月より、これらの書面に記載すべき事項を「電磁的方法による提供」つまり、電子メールでの受信や事業者のウェブサイトにアクセスしてデータをダウンロードする等によって、「書面の交付」に代えることができるとされました。

 となると、事業者としては、費用も労力も省けるため、電磁的方法による提供にしていくのではないかと思われますが、一方的にできるものではありません。
事業者は、消費者に対して、電磁的方法の種類や内容を具体的に説明し、消費者が真意にもとづき承諾すること、事業者は承諾の取得にあたっての適合性等の確認をしなければいけません。
スマートフォンを持っているが電子メール等を全く使っていない方については、いくらご本人が承諾をしたところで、適合性がないとなるわけです。話し出すときりがないですが、ここで、皆様が消費者の立場であるとして、このようなことを言う事業者には気を付けて!という例をお伝えしておきます。

「法律上、紙での契約書面の交付は禁止され、電子メールでの送付が義務付けられている」「当社は紙での契約書面の交付はしていない」

 ほかにも、電磁的方法による提供に承諾した場合に商品代金を安くする、逆に、電磁的方法による提供ではなく書面の交付の場合には諸経費として100円徴収する、事業者のパソコンを使用させて電磁的方法による提供について承諾させる、といった事業者は、悪質業者かもしれませんので、あれ?と思ったら、契約をしない、また後日改めて連絡する、としてください。

消費者から相談を受ける弁護士の立場からすると、契約書はありますか?とたずねても、どこにいったかわからない、不要だと思って消去した、前の携帯電話に保存していたけど壊れたから無い、などなど困った事案が多くなるのではないかと心配しています。

 思わず契約してしまったが、どうしよう、ということがありましたら、すぐに弁護士にご相談くださいね。       

以上

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