戦争の影響で仕入ができない、支払が行われない!
ロシアとウクライナに続いて、イスラエルとハマスも戦争状態です。
戦争が始まると当事者の国からの商品供給が止まることがあります。
国際関係の影響を受けることを想定して契約条項を定めましょう。
ロシアとウクライナの戦争は終わりが見えない中、イスラエルとハマスも戦闘状態となり、これはもう戦争といってもよい状態になっています。日本から遠く離れた国での戦争も、原材料の高騰や、物流への影響などを始めとして、日本の企業の活動にも様々な影響を及ぼしています。例えば、戦争当事者国の製品を輸入して、日本国内で販売していた場合、そもそも商品供給が途絶えて輸入自体ができなくなってしまう場合があります。商品そのものでなくても、原材料の一部、例えば重要な部品などが欠品になってしまい、完成商品を作り出すことができないということもあります。さらに、情勢の変化により、契約当初予定していた金額での取引が難しくなる場合も予想されています。
このように、自分には関係ないと思っている出来事が、意外に日々の業務に関連することもあるので注意が必要ですね。
さて、戦争などが起こった場合、どちらがコストや時間の負担を行うのか、あるいは、どれくらいの割合で負担を分け合うのかについては、なかなか難しい問題があります。
通常の契約書では、戦争や天災などのケースについてリスクの分配について定めていることは、実はあまりありません。したがって、ミサイルが飛んでこようが、戦車が来ようが、本来的には義務を負っている方がリスクを負担することになります。そうすると、義務を履行しても損失が生じ、義務を履行しないと契約違反として訴えられることになります。このような事態になるのは、契約(当事者同士の約束)は守らなければならないという法律の原則からです。約束した以上は、守ってくださいと言うのが裁判所の立場で、気の毒だからそこまで言わなくてもいいじゃないかっていうことは、法律の話ではないのです。
ですから、約束つまり契約をする前に、自分ではコントロールできないようなことが起こったらどうするかということについて、予め定めておく必要があります。特に、近年は地震、コロナウイルス感染症、地球温暖化、戦争など、今まで予想もしなかったようなことが次々と起こっています。
明日は今日と同じではないということを肝に銘じて、契約では相手ときちんとリスクの分配について取り決めておくようにしましょう。
以上