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戸籍に氏名の振り仮名が記載されることになりました。

 人生の中で自分の戸籍謄本を見る機会はそれほど多くはありませんが、どんなことが書いてあるか、ご記憶にありますか。
 実は、現在は氏名の読み方(振り仮名)は、戸籍のどこにも記載されていません。

 氏名を変更するには、家庭裁判所の許可が必要とされていますが、今のところ読み方を変更するにあたって許可は不要です。
 たとえば、明石法彦と書いて「あかしのりひこ」と読むところを「あかいしのりひこ」に変更することもフリーです(厳密には、住民票の変更やパスポートの変更などの問題はありますが)。漢字も読み方もそれぞれ、本人を特定させるものなのに、「明石」から「赤石」に変更するには家庭裁判所の許可が必要で、「あかし」を「あかいし」にするには許可不要、というのはアンバランス。ということで、戸籍法が改正され、戸籍に振り仮名が記載されることになりました。

 この戸籍法改正の施行日については、公布の日から2年を超えない範囲内で政令に定める日となっています。通常よりも遅く設定されているのは、おそらく自治体側でかなりの準備が必要だからでしょう。
 
 既に戸籍に記載されている人がどうなるのか、気になるところですね。
 まず、施行日から1年以内に、振り仮名を届け出ることができます。届出ができるのは、氏については戸籍の筆頭者、名については本人です。戸籍の筆頭者が亡くなっているなどして除籍されている場合は配偶者、配偶者も除籍されている場合には同籍の子(複数いる場合には順位付けはなく、いずれも)が届け出ることができます。
 届出がない場合に、いつまでも振り仮名が戸籍に記載されないかというと、そうではありません。施行日から1年以内に届出がない場合は、本籍地の市町村長が戸籍に記載をすることになっています。どのような記載がされるかは、事前に、本籍地の市町村長から通知がなされることになっています。正しい振り仮名が記載されるかどうかは、この通知を見逃さずによく確認する必要があります。

 万一、通知を見逃したまま、自分が名乗っている読み方と異なる振り仮名が戸籍に記載されてしまった場合は、一度に限り、家庭裁判所の許可を得ないで変更の届出をすることができます。変更の届出に期間制限はありませんが、現に使用している氏または名の読み方が通用していることを証する書面を提出して行う必要があります。

 改正法の施行後は、マイナンバーカードやパスポートにも振り仮名が記載されることになるようです。マイナンバーに他人の口座が紐付けられたというのがニュースになっていましたが、これもゆくゆくは解消されていくでしょう。

以上

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